マラカスとマガンダ
ごきげんよう。クンクン博士じゃ。
マラカスとマタンダは、フィリピンの神話に出てくる最初の人間じゃ。聖書に出てくるアダムとイブのフィリピン版と思っもらえれば良いじゃろう。ちなみにマラカス(Malakas)とは「強い」、マガンダ(Maganda)とは「美しい」っちゅー意味じゃ。
それは、創造の神バッターラが世界を造り終えたばかりの頃じゃった。
バッターラの使いの巨鳥マガウルが、出来たてのホヤホヤの世界をあっちこっち飛び回って、その出来具合をチェックしとったんじゃが、いい加減疲れちまって、とある島に舞い降りた。
陽の光を浴びながらまったりしとったところ、近くの竹やぶの中から何やら音がする。不思議に思ったマガウルが、音の主を求めて竹やぶに入って行き、やがてどデカい竹を見つけた。どうやら音はその竹の中から聞こえてくるようじゃった。
試しにくちばしで竹を縦半分に割ってみたところ、中から茶色い肌の男女が出てきた。そいつらがマラカスとマガンダっちゅうこっちゃ。
もしマガウルがこの島で羽を休めんかったら、または音をシカトしてそのまま飛び去っておったら、この二人はそのまま竹の中で朽ち果てとったかもしれん。
出来立ての世界で時間を持て余した二人はひたすら子作りに励み、その子らが全国に散らばって今のフィリピン人になったということじゃ。
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