アモック
ごきげんよう。クンクン博士じゃ。
普段は従順で穏やかな性質の男が突然怒り狂い、刃物などの凶器を振りかざして目に付く者に片っ端から襲いかかる-。
フィリピンでは時折そんな事件が世間を賑わしとるが、人々はこうした現象を「アモックにかかった」と呼んでおる。
アモック(Amok)は、マレーシア、インドネシア、ボルネオ、シンガポール、フィリピンといったマレー文化圏の文化依存症候群(Culture-bond Syndrome - CBS)とされとる。韓国のファビョン(火病)みたいなもんじゃな。
アモックにかかる者は今のところ男性に限られとるようじゃ。プライドを酷く傷つけられたり、世の中が嫌になったり、生きるのに疲れたり、極度なストレス状態に置かれた時など、なんかの拍子に「キレて」無差別殺傷行為に走ってしまうらしい。発作的なものが多いが、こないだの観光バス乗っ取り事件のような計画的なものもアモックとされる場合がある。
最近の事件では、去年の10月にサンボアンガ州で国軍の兵隊がアモクり、M14ライフル銃で6人を殺害しとる。原因は判っておらん。ちゅーか、アモクって暴れた者は、その場で警察とかに射殺されちまうことが多いので、原因を追求するのが難しいんじゃな。判らんことはすべてアモックで片付けられちまいかねん。
一応、アモックはフィリピンのCBSとされとるが、無差別大量殺傷事件は何もフィリピンに限ったことではない。2005年4月に起きた仙台アーケード街トラック暴走事件も、2008年6月に秋葉原で起きた通り魔事件も、去年12月に起きた鳥取バス襲撃事件も、ワシは「アモックにかかった」とみておる。
そういえば、このサイトの管理人も、タバコが切れるとアモクりそうな気配を見せよるのう。ケンも普段は能天気で草花みたいにおとなしい男じゃが、マニーをディスるとヤバイっちゅーのが判明したし。
ちなみに「アモックにかかった」という表現は、「突然暴れだした」ちゅー意味で人間以外の生き物や物にも使うことがある。例えばこれじゃ。
マニラ市サンファンで突然カラバオが暴れだす騒動が発生(2009年9月)
記事によると、同じような騒動がブラカン州プリラン町でも発生しとったらしい。
プリラン町はワシの近所なんじゃが、毎年5月中旬に「カラバオ・フェスティバル」っちゅーのをやっとっての。農民らが自慢のカラバオを着飾ってパレードするんじゃよ。ところが、祭りの最中に1頭のカラバオが突然アモクりよったそうなんじゃ。
今の世の中は、文明が進んで人間関係もライフスタイルも複雑になり、誰もが大なり小なりストレスを感じながら暮らしておる。現代人は皆、何かの拍子でアモクる危険性を内に秘めとるのかもしれん。ストレス発散は大事じゃな。
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