フィリピンの古代人タボンマン

ごきげんよう。クンクン博士じゃ。

タボンマンは、今から約20,000年ほど前の更新世の末期から完新世初期の時代を生きた、フィリピンの最初の住人じゃといわれとる化石人類じゃ。

エメラルド・グリーンの海に囲まれたエルニドやコロン島で有名な「フィリピン最後のフロンティア」パラワン島にあるタボン洞穴の中から、1万6,500年ほど前のものと推定される頭蓋骨の上蓋部や顎などの化石が発見されたことから、この名前がつけられとる。

タボンマンは、人類の種としてはジャワ原人(ホモ・エレクトス)とは別の、ホモ・サピエンス(現代型新人)に分類されておる。顎の骨格はオーストラリア先住民、頭蓋骨のサイズはタスマニア先住民のそれに似ておるらしい。いずれにしても、現代人とそんなに変わらない容貌をしておったらしいの。

タボン洞穴は、インドネシア、マレーシア、そしてフィリピンに生息しておるTabon Scrubfowl(パラワンツカツクリ)ちゅー鳥の名前から来ておるそうな。

Australian Brush turkey2.jpeg

これがツカツクリ。この鳥は、メスが卵を抱いて温めることをせず、オスが作った大きな塚の中に卵をうずめて、醗酵熱で孵すそうじゃ。変わった習性をしておる。ツカツクリは、肉はまずいが卵は黄身が多くて美味だそうじゃ。タボンマンもこの鳥を捕まえて食っていたんじゃろうか。

洞穴の床は、人間が住む前から蓄積されたこの鳥の糞(グアノ)が固まってセメントのようになっており、タボンマンはそこで石器を作って、狩りなどをしながらこの洞穴に住んでおったようじゃ。

今から約700万年前、人類発祥の地といわれるアフリカで、最初の人類「トゥーマイ」ことサヘラントロプス・チャデンシスが二本足で歩き始めた。610万~580万年前の中新世にはオロリン・トゥゲネンシスが現れ、350万年ほど前には「ルーシー」ちゃんに代表されるアウストラロピテクス・アファレンシスがエチオピアに住み着き、250万年~200万年前には「器用な人」ホモ・ハビリスが石器をせっせと作っておった。で、180万年~1万年前の更新世にやっとホモ・サピエンス、つまりクロマニョン人やタボンマンが現れたっちゅーわけじゃな。

更新世の時代はまだ氷河期で海面が今よりも低く、「スンダランド」ちゅーのができとって、ボルネオとパラワンが陸続きじゃったらしいから、タボンマンはボルネオあたりからやってきたのかもしれん。タボンマンについてのこれからの研究に期待したいの。

しかし、こうして人類の起源を調べてみて、改めて「人類みな兄弟」なんじゃということを実感したわい。人類の中には歴史の途中で絶滅してしまった種もおる。そんな中で苛酷な環境を生き残り、現在の繁栄に漕ぎ着けることができた今の人類は、実は非常にラッキーなのかもしれん。

人間は種を残してくれたご先祖様に感謝し、兄弟としてお互いを尊重し合い、人種を超えて共に助け合わにゃいかんのじゃよ。うん。

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