私が社会人の仲間入りをしたのは、まだ花の学生ライフを満喫していた19歳の時だった。

 

就職した先は、フィリピンに進出してきたばかりの日系ソフトウェア会社。通訳兼翻訳者を探しているという話を父が聞き、当時コンピューター専門学校でプログラミング言語を習得中の私を紹介したのだった。

 

私の面接を担当したフィリピン人の社長は、奇遇にも通学中の専門学校の取締役員をされている方だった。

 

社長「あの学校で勉強したって、時間の無駄だよ」

私「え…そうなんですか…」

社長「それよりもうちに入りなさい。実際の開発現場を体験できるから」

と、仮にも学校の取締役員である彼からまさかの中退を勧められ、入社することになったのであった。

 

入社して2年目に差し掛かったある日、プログラマーの通訳として日本に短期出張することになった。

 

久しぶりに日本の地を踏んだ私は、姉の家で一息ついた後、早速電車に乗って本社事務所に向かったのだが…

 

目的の駅に着いたは良いが、勝手がわからずウロウロしている私に、一人の女性が近づいた。

 

女性「すみません、私、宗教団体○○の者です。これから貴方をお祓いして差し上げます。そのまま右手を挙げて、目をつぶってください」

(えー、困るよ急いでるのに)と思いつつ、素直に指示に従う私。

 

kanyu1

 

 

(どうしよう…電話しないといけないのかな…)帰宅後、散々迷った挙句、姉に相談した。

kanyu2

 

フィリピンでも新興宗教の勧誘にあったことはあるが、日本でもやられるとは思わなかった。恥ずかしくも貴重な青春の一コマである。