最初に断っておくが、これから書くことは男性読者向けである。別に差別的なことやエッチなことを書くわけではないが、主に男性に対する「ある儀式」に関することなので、女性の方にはぴんと来ないと思われるからだ。なので、興味のある方だけ「続きを読む」をクリックすることをお勧めする。

 

フィリピンでは、「割礼」という儀式が存在する。簡単に言うと、イチモツの皮をちょん切る儀式だ。英語では「Circumcision」、タガログ語では「Tuli(トゥリまたはトゥレ)」という。「皮をトリました」と覚えておくといいだろう。

 

ウィキペディアには

「割礼(かつれい)とは、主に宗教上の理由で男子の性器の一部を切除すること。宗教上の理由の他、衛生上の理由などで行われる場合がある。アメリカ・フィリピンなどでは、衛生上の観点からおもに新生児の男児の男性性器の「陰茎の包皮」を切除する場合もある。」

 

とあるが、フィリピンにおける割礼にはもう一つ、「男になる」という重要な目的がある。割礼を済ませていない男は「Bading - バディン(オカマ)」と見なされ、「Supot - ソポッ(皮かむり)」といわれて馬鹿にされる。女の子たちの君を見る目も違ってくる。割礼をしていないということは、男として非常に恥ずかしいことなのだ。

 

昔は、男児は生まれてすぐ割礼を受けたらしいが、最近は11歳~13歳くらいになってから病院に行って手術してもらうケースが多い。ちょうど異性を意識し始める年頃だ。

 

かくいう私は16歳の頃に済ませた。年齢的には遅いほうである。夏休みを利用して、大学で美術を専攻している私の友達のお兄さんが勤めている軍事病院でタダでやってもらった。

 

以下、私の体験談である。結構生々しい描写もあるので、想像力に富む心臓の悪い方はここから先は読まないほうがいいかもしれない。

 

手術室に連れて行かれると、早速お医者さんから「はい、パンツ脱いでー」と言われた。若い看護婦さん達のいる前でパンツを下ろすのはさすがに気が引けたが仕方がない。そろそろとパンツを脱いで、ベッドに仰向けになる。

 

お医者さん「普通のカットと、ジャーマンカットと、どちらがいいですか?」
私:「??? えー、じゃあ、ジャーマンカットでお願いします」

 

まるで近所の散髪屋と客の会話みたいだが、実は割礼には二通りの方法があるのだ。

 

普通のカットは、皮をビーンと伸ばしてから、真横にバシッと「輪切り」にする方法。もう一つの「ジャーマンカット」は、縦にパチンと切ってから外側にクルクルと折りたたんで縫い付ける方法。

 

私がジャーマンカットを選んだのには特に深い意味はない。たた単に「ジャーマンカット」という名前が持つ響きに惹かれたに過ぎない。どうせやってもらうんだったら、かっこいい名前の方がいいではないか。

 

切り方が決まったところで、局部麻酔を打たれた。ぶっとい針を持つ注射器で、患部の付け根の周りをブスブスと数箇所打たれる。痛かったのは最初の一発だけで、すぐに麻酔が効いてきた。しかし、痛くはないが肉をハサミでジョキジョキ切られる鈍い不快感がある。「フン♪フフン♪」と鼻歌を歌って気を紛らわせようとするが、お医者さんが「今、君の大事なものがどんな具合になってるか見る気はないかい?」と切り口を見せびらかすので、せっかくの努力が水泡に帰する。

 

「あ、先生。なんかズキズキしてきました。先生。ズキズキきてます。ズキズキです。先生」「そろそろ麻酔が切れてきたかな?もう少しの辛抱だ」

 

手術を終えて患部を見てみると、あたりに血溜まりが出来ていた。かなり出血したらしい。「結構緊張してたようだね。リラックスしてないと血がたくさん出るんだよ」と先生。先生、先生が傷口を見せるからボク緊張したんだと思います…と意見しようと思ったが、もう済んでしまったことなので黙っておくことにする。なにしろタダで手術してもらっている身だ。元々意見を言える立場にはないのであった。

 

看護婦さんたちの控え室にあるベッドに横たわり、友達のお兄さんの仕事が終わるのをひたすら待つ。麻酔は今や完全に切れ、耐え難い程の痛みが私を苛んでいた。看護婦さんの前で泣くのが恥ずかしく、「痛いよー、痛いよー」と同じ言葉を念仏のように繰り返しつぶやきながら苦痛に必死に耐えていたが、一日の仕事を終えて戻ってきたお兄さんの顔を見るなり、安心感からか不覚にも泣き出してしまった。痛み止めのクスリをもらって飲んで、落ち着いたところで一緒に帰路についた。

 

その晩のうちに患部が風船のように腫れあがったり、「地獄の朝立ち」を味わったり、包帯が取れるまで大変な思いをしたが、何はともあれ、これで私も立派に男の仲間入りを果たしたのであった。

 

ちゃんちゃん♪

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