犬は死んだらどこに行くのか?「あの世」とは、本当に存在するのか?

 

ワシぐらいの歳になると、そろそろそんなことが気になってくる。

 

ちゅーことで、今回は「あの世」に行けずに「この世」でくすぶっとる捉えどころのない存在、「幽霊」の話しじゃ。

 

「幽霊」とは、タガログ語で「ムルト(Multo)」という。

 

フィリピンの人達は、この手のおっかない話が大好きじゃ。特に死者が「あの世」から「この世」に一時帰国すると信じられとる毎年11月1日の「Araw ng mga Patay(死者たちの日)」が近づくと、テレビで「恐怖!死者との遭遇」みたいな特別番組が流れ、一般人らや芸能人らの体験談をどしどし紹介し始める。

 

霊能者と称する者たちが登場しては、「心霊スポット」とされとる場所で「苦しみ、悲しみ、渦巻いてます」「あ、今悪寒した」「ものすごく邪悪な念…押しつぶされそう…ハアハア」とか何とか言いながら、一人で騒いどったりもする。

 

そういえば、最近見た番組では「他の人には見えてて、自分だけには見えない幽霊」っちゅー珍しいのも紹介されとったな。思わず「それって幽霊じゃなくて、単なるストーカーじゃろ?」とツッコミ入れたくなったわい。

 

フィリピンの幽霊は、一般的に女性が多いようじゃ。大抵白い服を着とって、人気の少ない道をサッと横切ったり、いつの間にか走行中の車の後部シートにちょこんと座っとったりする。日本の幽霊と違って、足があるらしい。首都圏ケソン市のバレテ通りに出没するという女性の幽霊や、サントトマス大学の首なし幽霊が有名じゃ。

 

昔、管理人が勤めとった会社に自称「霊感が強い男」がおってな。入社早々「社内に女性の幽霊がうろついてる」と言い始めよった。レトロな服をまとったずぶ濡れの若い女が、時々オフィスに立ち寄っては、窓の外をジーっと眺めとったり、部屋の隅っこでみんなの仕事ぶりを監視(?)しとったりするんじゃと。

 

それを聞いた社員らは、その幽霊に「ベッキーちゃん」という名前をつけ、恐れ始めた。当時中間管理職だった管理人は「残業拒否する社員が急増した」とこぼしとったよ。かくいう管理人も、一度だけ残業中に奇妙な体験をしたらしいんじゃがの。

 

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