太古の昔から先祖代々伝わる医術を駆使し、按摩、怪我の手当、病気の治療から悪霊退治まで何でもこなすサイキック・ドクター、アルボラリオ(Albularyo)。「アルボラリオ」っちゅー呼び名は、自然界から採取した薬草を治療に用いるHerbalistのスペイン語「Herbolario」からきとるそうじゃ。巷では「マンガガモット(Manggagamot - 病気を治す人)」とも「マンヒヒロット(Manghihilot - マッサージする人)」とも呼ばれておる。ただし、アルボラリオとマンヒヒロットを区別する場合もあるので要注意じゃ。

 

昔はシャーマン(祈祷師)的な役割を担い、村の宗教的な行事などを取り仕切っておった。村でもかなりの影響力を持つ長老がなっとるケースが多く、絶大な信頼を得ておったんじゃ。現代では近代医療に押されて肩身の狭い思いをしとるが、田舎では今でも病院に行く金がない庶民のお医者さんとして活躍しとる。最近では伝統医術のひとつであるマッサージ療法「ヒロット(Hilot)」が美容に良いとかで、マッサージサロンなどで脚光を浴びとるそうな。

 

フィリピンでは主に制汗剤として使われとるタワス(ミョウバン)、ココナツ油、各種薬草、唾、護符、その他病状に合わせて様々なものを治療に活用する。治療法は薬草の塗布、「ヒロット」、祈祷、「ブロン(Bulong - 呪文)」など。悪霊に取り憑かれとるらしい患者には、スプーンに乗せたロウを火で炙って溶かし、器に張った水にたらして出来た模様により悪霊の正体を暴いた上で対処する。悪霊だけでなく、ヌーノやドエンデの祟り、クーラムやマンババーランといった黒魔術に対抗する術も心得ておる。

 

中には麻酔やメスなど一切使わず、脇腹から体の中に直接手を突っ込んで病気の原因を取り出してみせたり(錆びた釘やピンが出てくるそうじゃ)、鶏の卵で患部をさすり、その卵を割ってみると病気の原因が入っとる(やっぱり釘やピンだそうじゃ)っちゅー「離れ業」を披露する者もおるが、そのほとんどがまやかしだとかで、アルボラリオの信用を落としとるそうじゃ。まったくもー!

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