フィリピンの最初の住人は誰か?

 

1962年にパラワン島のタボン洞窟から発見された、今からおよそ47,000年前の時代を生きとったとされる化石人類「タボンマン(Tabon Man)」じゃ。学校でもそう教えとる。

 

ところが、じゃ。

 

2007年にカガヤン州ペニャブランカ町のカリヤオ洞窟を調べとったフィリピン大学の考古学者が、なんと約67,000年前のものと思われる人間の足の骨(第3中足骨)を発見し、注目を浴びとるそうなんじゃ。

 

ちなみにカガヤン州は、今年10月18日にスーパー台風「フアン」の直撃を受けて散々な目に遭った、北部ルソン島の州じゃ。

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発見された洞窟にちなんで「カリヤオマン(Callao Man 注2)」と名付けられたこの化石人類は、フィリピン最古の住人どころか、ひょっとしたらアジア太平洋最古の人類かもしれんのじゃそうな。これが本当なら、こりゃフィリピンの歴史の教科書が書き替えられちまうどえらい発見じゃ。「フィリピン最古」とされとったタボンマンがパラワンでツカツクリ追っかける何万年も前に、カリヤオマンがカガヤンバレーで竹槍振り回してイノシシ追っかけとったことになるわけじゃからの。

 

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タボンマンのステータスを脅かしとるカリヤオマンの「足の骨」じゃ。ワシャ専門家じゃないんで、KFCの食べかすにしか見えん。

 

カリヤオマンは小柄な体をしとったらしく、「フィリピンの先住民族であるネグリト族の祖先かも」と言われとる。こんな61ミリしかないちっぽけな足の骨からそんなことも判るとは、たいしたもんじゃな。

 

実はワシも、タボンマンがネグリト系じゃないと聞いて不思議に思っとったんじゃ。ネグリト族はかなり昔からフィリピンにおるはずなんじゃが、タボンマンでなければ誰が、いつ、どっから来たのか分からんかった。カリヤオマンが彼らの祖先かもしれんというのは非常に興味深い。

 

その「どこから」じゃが、カリヤオマンの骨を見つけたフィリピ大学ディリマン校のアルマンド・ミハレス教授によると、カリヤオマンはインドネシアからいかだに乗ってルソン島にやってきたかもしれんそうじゃ。約70,000年前の人類がすでに航海術を知っておったというのも驚きじゃ。

 

 

教授の推測では、インドネシアからスンダランド経由でパラワンの先っぽまで歩いて行って、そっからいかだでミンドロ島に渡り、そっからさらにルソン島を北上していったっちゅうことじゃが、もしかしたらその一行の中の誰かが群れを離れてパナイ島に住み着き、今のアティ族の祖先を作ったのかもしれんな。

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ところで、カラオマンは「実はホモ・サピエンスじゃないんじゃないの?」との意見もある。体長が1メートルほどしかなく、ホモ・サピエンスよりももっと原始的な「ホビット(小人)」ホモ・フローレシエンシスにも似とるそうなんじゃ。さらに「実はどっちにも属さない新種の人種なんじゃないの?」っちゅー意見まで出とる。

 

現生人類ホモ・サピエンスか、矮小人類ホモ・フローレシエンシスか、それともまったく別のニュー・ホモなのか。なにしろ今回発見されたのが足の骨だけなんで、今のところこの骨の持ち主がとりあえず「ホモ」だっちゅうことしか分からんのじゃな。

 

ミハレス教授は、今後も北部ルソンで調査を続けるそうじゃ。台風「フアン」が大切な骨たちを吹き飛ばしてなきゃよいがのぅ。